高村光太郎の詩に「当然事」というものがある。
あたりまへの事だから
あたりまへの事をするのだ。
空を見るとせいせいするから
崖へ出て空を見るのだ。
太陽を見るとうれしくなるから
盥のやうなまつかな日輪を林中に見るのだ。
山へ行くと清潔になるから
山や谷の木魂と口をきくのだ。
海へ出ると永遠をまのあたり見るから
船の上で巨大な星座に驚くのだ。
河の流れは悠悠としているから
岸辺に立つていつまでも見ているのだ。
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正しさ、美しさに引かれるから
磁石の針にも化身するのだ。
あたりまへな事だから
平気でやる事をやらうとするのだ。
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グッとくる詩である。。。